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2.23動揺暴露実験による心理的、生化学的、生理学的変化
1)船体動揺模擬装置および計測設備
動揺暴露実験に用いる船体動揺模擬装置(動揺シミュレータ)は、大阪府立大学工学部海洋システム工学科所属の装置を用いた。この装置は、図2.2.3−1にその概形が示されるように、被験者の搭乗するキャビンおよびこれを支える外枠、油圧装置、制御装置によって構成される。被験者が搭乗し、動揺暴露実験を実施する際のキャビン内壁は被験者への視覚刺激の影響、心理的影響を和らげるため、無光沢白色としてある。被験者用の座席には、高速旅客艇の座席を用いてある。
動揺暴露実験中の計測項目については表2.2.3に示されるとおりであり、キャビン内の計測関係装置の配置を図2.2.3−2に示される。キャビン前面には視覚刺激映像投影用のスクリーンが、スクリーンの左側には表情計測用ビデオカメラを、右側には、顔面温度計測用の赤外線放射温度計が設置されている。キャビン後部の天井には視覚映像投影用ビデオプロジェクターが設置されている。キャビンの動揺計測は、床面に設置された、3軸加速度計、縦揺、横揺用角速度計が設置されている。また、キャビンの動揺は、3本の油圧シリンダーの変位としてポテンショメータを介して計測される。実験中は、被験者からは外部の様子が見えないように3個所の窓には覆いがかけられる。
搭乗被験者には、頭部に脳波計測用の電極、胸部および四肢には心電図計測用の電極、手には発汗計測用の電極、鼻下には呼吸センサーが装着される。
表2.2.3−1に動揺暴露実験時に計測される項目、センサー、計測間隔等を示す。

 

表2.2.3・1動揺暴露実験時の計測項目

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